【実体験】タイでも要注意!トランプ詐欺の手口を大公開!危うく無一文に・・・

TOMOZOはタイに行くことが大好きです。

料理は美味しいし、マッサージは気持ちいいし、仏閣巡りは心が洗われます。

タイでは日本人旅行者を狙った詐欺が至る所で頻発しています。

日本円見せてほしい詐欺や宝石詐欺、トランプ賭博などは有名な話だと思います。

そんな皆さんを脅かす詐欺の中から、今回はトランプ賭博詐欺の実態について筆者の実体験を交えて皆さんにご紹介して参りたいと思います。

トランプ詐欺に遭遇

この話は少し前の話になりますが2007年10月に筆者が実際に体験した話です。

今でこそ筆者の訪タイ歴は数十回を数えますが、当時はまだ人生で4回目のタイ旅行で知識も浅かったこと覚えています。

当時の筆者は一週間の休暇を取り、カンボジアのアンコールワットとバンコ旅行を計画しました。

その日筆者は真っ昼間のバンコクで一人、MBKショッピングゼンターのお土産フロアをぷらぷらしていました。

その日の夜はカンボジアで意気投合した知人と会う約束をしていましたが昼は特にやることもなくダラダラと過ごしていました。

タイ人男性が筆者に話しかけてきました。

「日本人ですか?シスターが日本の友達に手紙を書いたので見てほしい」と言ってきました。

その依頼に対し、夜までやることないし、時間つぶしにもなるし、二つ返事で引き受けることにしました。男性は嬉しそうにして自分の後についてくるよう筆者に言いました。

お土産フロアからエスカレーターで下に下り、1階の喫茶店にでもシスターが待っているのかと思いきや男性は店の外に出てしまいました。そしてなんとタクシーを捕まえ、友人を招き入れるかのように自然な感じでタクシーに乗り込みました。

車内ではバンコクは旅行か?とか、一人で来ているのか?という定番な会話と、男性の身の上話や他愛もない話を聞かされました。

20分30分ほど走って男性の自宅に到着しました。

家には女性が一人いました。

『この人がシスターか?』と聞くと

「イヤ、彼女は妹だ。シスターはおばあちゃんの病院にお見舞いに行っている。まあゆっくりしていって。」と言い、筆者に軽食を振舞いました。

しょうがないなと思いながらも、まだ時間も早いしと思い直し、軽食を摘まんでいました。

すると別の男性が入ってきました。男性は自分の名をアレックスと名乗りました。彼の名前だけは今でもはっきり覚えています。タイ人とはかけ離れている名前だったからです。

アレックスは更に自分の紹介を続けました。一年の半分はカジノ船で世界中を回っている。

日本だと横須賀に行ったことがある。今は休暇でタイに戻って来たんだ。と言って筆者にカジノの身分証を見せてきました。

どうだ?シスターを待っている間に向こうの部屋でトランプで遊ばないか?と言ってきました。

言語の問題で男性や妹との会話も途切れ途切れになっていたので、時間潰しには良いかと思いトランプ遊びをすることになりました。

ブラックジャックをしようという話になりました。

ブラックジャックはカジノで行われるゲームであり、 カードの合計点数が21点を超えないように、プレイヤーがディーラーより高い点数を得ることを目指すゲームです。

「俺はカジノのプロだ。お前を100%勝利に導かせることが出来る 」

アレックスは筆者にそう言ってきました。

「俺が自分の耳を触った時は21点には満たない。更にカードを要求しろ。」

「俺が自分の鼻を触った時は手持ちのカードで勝負しろ。要求した場合は21点を超えてしまうからな。」

「ハンドレッド パーセント ユー ウィン。Hundred percent you win. (100%お前は勝つ)」

そう言って次々に勝ちゲームを演出していき、おもちゃの架空紙幣や硬貨で筆者が大金を手にしていきました。

筆者が勝ちパターンを身に付けてきた時、アレックスがこう打ち明けました。

「昨夜はブルネイ人にこの勝ちパターンを伝授し、大金を儲けさせた。賞金を折半すると約束していたのに奴は一人勝ちして全額持ち帰ってしまった。この後奴がココに来るから賞金を取り戻したい。協力してくれ。全戦勝利だと怪しまれるから時々奴にも勝たせる。でも最後はお前が勝つ。ハンドレッド パーセント ユー ウィン。」

筆者がアレックスの問いかけに返答する間もなく、ブルネイ人の婦人が部屋に入ってきました。その出で立ちは耳、首、腕の至る所に宝石を身にまとい貴婦人そのものでした。

考える間もなく、筆者vsブルネイ婦人のブラックジャックゲームが始まりました。

紙幣は本物に

そこで最初に驚いたことが、今までは架空紙幣で遊んでいたところですが、この回から本物のタイバーツ紙幣を使って勝負をしていました。

筆者が3回勝って、婦人が1回勝つ。ゲーム毎の勝負が付いた時の婦人のリアクション、悔しがり方や喜び方がややオーバーで、こいつ演技じゃね!?と内心疑っていました。

そんなペースでゲームは進んで行き、掛け金も数百バーツ、数千バーツ、数万バーツと跳ね上がって行きました。

筆者のタイバーツ札が底をつきました。そのことを伝えると日本円はないのか?と言ってきました。両替用に持っていた5万円札を取り出すと、婦人もタイバーツ札が底をついたのか分厚い米ドル札を出してきました。

そしてアレックスが、これがファイナルゲームだと言ってきました。次の瞬間、筆者の5万円札と婦人の米ドル札の束は鍵付きの金庫に一時的に没収されました。

この時、ようやく筆者は今まさに目の前で繰り広げられていることがトランプ賭博詐欺であることに気づきました。

旅行雑誌のタイで気をつけるべき詐欺被害のページにしっかりと掲載されていたことを今更ながらに気づきました。

続けざまにアレックスは筆者に、お前の5万円では婦人の米ドル札には釣り合わない。クレジットカードは持っていないのか?ホテルはどこだ?と質問してきました。

当時の筆者はまだクレジットカードなんか持っていませんでした。ホテルまで突き止められたら終わりだな。と思い始めたと同時に恐怖で足がガタガタと震え始めました。

このまま旅行費全額を奪い取られてしまうのか?なんとか取り返す術はないのか?

タイ語はもとより英語でも伝え方が分かりません。なんとかこのゲームをやめさせたい。恐怖に駆られながらも必死で考えました。

ノーコンテスト

ふとある単語が頭の中に入ってきました。“ノーコンテスト”

筆者は中高生の頃、プロレスをよく観ていました。反則技などで試合の収拾がつかなくなった時にゴングが打ち鳴らされました。

その試合は“ノーコンテスト”の裁定が下されました。

この“ノーコンテスト”がこの場面で相手に伝わるのかは分かりませんが、とにかく何か言葉を発しなければ、意思表示をしなければ。

筆者は思い切って『ノーコンテスト ディス ゲーム。ノーコンテスト。ノーコンテスト。』

顔を大きく横に振り続け、腕は×印を作り、叫び続けました。声は震えていました。

もしかしたらアレックスがピストルを持ってくるかもしれない。

そうしたら一文無しになる。

命だけは助けてもらえるのか?

いろんなことが頭の中を駆け巡りました。

それでも叫び続けました。『ノーコンテスト。ノーコンテスト。』

叫び続ける筆者を見かねたアレックスが呆れた様子で金庫の鍵を解き、筆者の掛け金全額を手渡してきました。

まだ予断は許す状況ではありません。

一刻も早くこの家から退散しなければなりません。

カジノ部屋から飛び出した私にタイ人男性が話し掛けてきます。まだシスターがお見舞いから帰ってきてない。手紙を見てほしい。と。

筆者はまだ恐怖心で一杯でした。この男性もまた筆者にけしかけてくるかもしれない。

何て伝えていいのか分からず『ソーリーSorry、ソーリーSorry』とだけ言いながら家を出ました。男性は送っていくと言い、外に出てきました。玄関前にはタクシーが1台待機していました。

不自然なタクシーだ。もう全てが信じられなくなっていました。

早足でその場を離れ、流しのタクシーを拾いました。この場所がどこかも分かりませんでした。最寄りの電車の駅までと伝えると着いた先はMRTラマ9世駅でした。

笑う友人

その晩、知人に事の一部始終を伝えると、陽気な知人は「ワハハ無事で良かったね」とサラッと言っていました。

それ以来、異国の地では見知らぬ人には付いていかないと強く心に誓いました。

筆者自身は被害に遭う直前で回避することが出来ました。

皆さんも詐欺被害に遭わぬよう十分ご注意の上、タイ旅行を楽しんでください。

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